――原作はご存知でしたか?
水瀬
やっぱり『がっこうぐらし!』というタイトルで――「学校」がひらがな表記だったので、最初は柔らかい、ほわほわした癒し系な作品なのかな、と想像していたんです。ふわふわした女の子たちの日常というか、「学校から帰りたくない!」と思うくらいみんな仲が良くて、一緒に楽しい毎日を過ごす……みたいな作品なのかな、って。
――ところがしかし(笑)。
水瀬
そうですね、原作を読んだときの衝撃は大きかったです。絵柄は可愛らしいんだけど、ちょっとぞっとするシーンが描かれていて。そのギャップに、まずはヤラれました。
小澤
『がっこうぐらし!』のタイトルと由紀のイラストはあらかじめ見て、知っていたんです。「可愛い雰囲気だな」と思ってたんですけど、わりと着てる服がボロボロだったりして、いったい学校でどんな遊びをしてるんだろう? みたいな(笑)。
――なるほど(笑)。
小澤
それでオーディションを受けたんですけど……。由紀はわりとずっとほんわかした感じなんですけど、ほかのキャラクターは険しい表情をする場面も多くて。最初のイメージと中身がまったく違ったので、そこは驚きました。
M・A・O
私もやっぱり、みなさんと同じように日常系のふわふわした4コママンガ風の作品なのかなと思っていました。オーディションのときに原作を拝見して、「あれっ、これは私の知ってる日常じゃない!?」って。
――(一同笑)
M・A・O
『がっこうぐらし!』の「くらし」って、こういう意味だったんだ、と思いましたね。
高橋
私はオーディション原稿を読む前に、原作を読んだんです。なので、まずは表紙を見て。ピンクの髪の毛の女の子が出てきて、『がっこうぐらし!』っていうくらいだから、「これはポップな可愛らしいお話なんだろうな」と。しかもページをめくると、由紀ちゃんがスースー寝てて「あぁ、癒される~!」と思っていたら、だんだんと不穏な雰囲気が(笑)。
――やはり(笑)。
高橋
最初のときは、何が起きているのかわからなくて、また頭から読み直してしまいました。何回もページを戻った記憶がありますね。
茅野
私はお話をいただいたときに、まず公式ホームページを拝見したんです。で、「おっ、可愛い女子が笑顔で楽しそうにしてる。こういう作品の先生役なんだ、楽しそうだな」って気軽に考えていたんですけど(笑)。その後、オーディションの資料を見ると、少しシリアスなシーンがあって、ただのフワッとしてる先生じゃないような気がするな、と。
――予感はあったわけですね(笑)。
茅野
それで、まずは原作を読んでみようと思ったんですけど……。なんというか、中身とカバーがまったく違うというか(笑)。想像していた以上にサバイバルな感じが強くて、見た目に騙されてはいけないな、と思い知りました。
――なるほど(笑)。で、さっそく第1話が放映されたわけですが、気になった場面はありましたか?
高橋
あっ、みーくんが太郎丸に嫌われてました!(笑)。そこは原作に描かれていなかった部分なので、まさか嫌われてるとは思っていなくて……。しかも太郎丸役を、先輩の加藤英美里さんが演じられているんですけど、「プイッ!」としてるのになんかもう可愛くて(笑)。そこは今回のアニメの発見でしたね。
茅野
第1話では結構、太郎丸が活躍してるんですよね。しかもリアクションとか表情がいちいち可愛い(笑)。あとはやっぱり最後だよね。あれは、何も知らないで観た方はどう受け止められたんだろう、という。私も、原作を読まずに演じていたら、たぶん相当な衝撃だったと思うので。
水瀬
音だけ聞いていると、ごく普通の日常――いなくなったワンちゃんを追いかけて、見つける……みたいな話なんですけど、目から入ってくる情報がまったく違ってて。由紀が見ている世界と、みんなが見てる世界が違う。そのことが最後にパッとわかる瞬間は、こう、やっぱりぞっとしますね。可愛さのなかにある恐怖というか、ジリジリと迫ってくる感じがある。
茅野
「怖い」というより「ぞっとする」みたいな感覚。しかもこの先、どうなるんだろう? ってすごく気になる。
小澤
指の隙間から覗いて「やっぱり見たい!」みたいな。
茅野
由紀ちゃんに対するイメージが、かなり変わるんじゃないですかね。大丈夫かな? って心配になっちゃいますね。
高橋
しかも笑顔で窓を閉めるし……。あそこが一番怖い(笑)。
茅野 加えて、あのあと風が吹くでしょう。「窓、ちゃんと閉まってないよ!」と思っちゃう。
M・A・O
原作を読んでわかっていても、あの最後のシーンが来ると、「とうとうここまで来てしまった……」と思いますよね。あと、そこまでの間でも、風景にちょっとヘンなところがあるんですよ。ピンボケでよく見えないんですけど、ガラス窓が割れていたりとか。気付いたあとにもう1回観ると「あーっ、あそこ!」って(笑)。
――そういう意味では、最後まで観たあとで、もう一度観返したくなりますよね。
小澤
わたしはりーさんが気になるんですよね。劇中でもあまり語らないから、りーさんが本当は何を考えてるのか。どんな悩みがあって、どういうふうに受け止めてるのか、気になるなって思いました。
茅野
一番、闇を抱えていそうだよね(笑)。まわりに相談をしないので。
小澤
そうなんですよ! 話をしないし、みんなをいつも見守ってる人こそ、ひとりになったときに一番ヤバいんじゃないかな、って。
M・A・O
たぶん大切なことは大事にしまってるんですよ(笑)。茅野 わたしはやっぱり、由紀ちゃんかなあ。主人公だし、あの笑顔がツラい。あと、あるシーンでそれぞれのキャラクターがどういうふうに感じていたのか、ちゃんと聞いてみたいなって気はしますね。映像特典とかで、それぞれのひとり語りを聞いてみたい。
高橋
彼女たちの日常がベースにある作品ということで、みんなが同じ目標に向かって進んではいるんですけど、起きた出来事に対する捉え方がそれぞれ違う。そういう部分まで、しっかり見てもらえると嬉しいですね。
――では最後に、劇中にも出てきたカンパンを、みなさんに食べていただこうと思うんですが……。
小澤
カンパンなんて、いつ以来だろう……。
茅野
学校で配られなかった?
小澤
配られました! 勉強で。
水瀬
わたしは食べたこと、ないです……。
一同
えーっ!
(※配られたカンパンをそれぞれ口に運ぶ)
水瀬
うわ、ちょっとクッキーっぽいんですね。もっとほわほわっとしたものだと思ってました。
茅野
長期間保存しておかなきゃいけないから、水分を抜かないとダメなのかもね。
小澤 このカンパン、胡麻がついてて美味しいですよ。
M・A・O
うん、美味しいです!
高橋
しかもこれ、金平糖が入ってるみたいですよ。
茅野
えっ、金平糖?
――ああ、糖分も一緒に摂取できるように。
小澤
缶をひっくり返せば、出てきますかね?
(※缶をひっくり返す一同)
高橋
ああ、いっぱいある! しかも大きい!
小澤
めっちゃある!
M・A・O
宝物みたい(笑)。
小澤
なんか……この缶、素晴らしいですね!(笑)
水瀬
これ、一緒に食べると美味しいですね。これがサバイバルの味なんだ……。